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三線初心者が三線教室に通って安里屋ユンタが弾ける様になるまで

 前回の記事で三線購入から教室に通うまでの過程を描きました。この記事では、三線初心者である私が最初の課題曲である安里屋ユンタを弾きながら唄えるまでになる過程を書きたいと思います。ちなみに、私は15年程チェロを弾いてたので、フレットレスの弦楽器には慣れています。目標は「次回お稽古までの3週間で三線を弾きながら唄える様になること」です。

目次

曲の研究(失敗事例)

 初回お稽古で何もできずに終わってしまったため、3週間後の次回お稽古までに最低限の準備をしなきゃいけない!ということで安里屋ユンタを弾ける様になるため、まずはもらった音源で曲を研究することに。

 これまでチェロを弾いてきた癖で曲をフレーズに分解して拍子をカテゴライズしてみることに。単純な4分4拍子や4分2拍子ではなさそうだけど、なんとなく曲を分解してみて三線を演奏してみる。楽器経験者なので、とにかくまず曲を弾ける様になってみようと思ってしまった。

 数時間、工工四と睨めっこしながら自分が感じたフレーズ単位では何とか三線を弾ける様になるまでになった。じゃあ、これに唄を付けてみようとしたところ、、、全然できない。(泣)何度やっても唄えない。。。
 しかも、三線で指を間違えると曲から落ちてしまう。工工四は、西洋楽譜と違って一度落ちると復帰が難しい。曲のフレーズがはっきりしていないのか?というより、唄と三線のフレーズが違うっぽい。あと、工工四は楽譜を目で追いながら演奏することに重きを置いてなさそう。楽器は体で覚えろ!感が強そうだ。

 ここで、三線にまつわるホームページを色々調べてみたところ、三線演奏は唄がメインとなり、三線は伴奏の役割であることが多くのページで掲載。三線より先に唄が唄えないと三線を弾きながら三線を弾ける様にはならない。楽器経験が仇となり、まず三線を弾くことから始めてしまった。そうかぁ、最初に先生に言われたとおり、唄がメインなんだな。

 なぜ、楽器を先に弾いても唄が付けられないのか。まず、民謡では西洋音楽の様なきちきちとしたソナタ形式の様なフレーズ感では曲が構成されていない感じ。あるフレーズを間違い無く弾ける様になるのはそんなに大事ではなく何となく全体が弾ける様になることが大事になる。工工四が楽譜としては備忘記録位の位置付けなので、工工四を読み込んだだけでは三線の事を理解できなかもしれない。でも、工工四を読み込む事は大事だと思う。
 あと、三線の音を主軸にした場合と唄を主軸にした場合で曲のフレーズも変わる。唄を主軸にした場合、三線の音で重要な音とそうでない音が分かってくる。最悪、無くても演奏に支障は無さそうな音がそこかしこに出てくる。

唄を付けて三線を弾く

 楽器メインで考えていたフレーズを一度捨てて、唄メインで安里屋ユンタのフレーズを考えてみた。フレーズと言っても西洋音楽の様に全て理屈で考えるのではなく、何となくフレーズを感じる事が大事っぽい。ここは慣れてないから音源を何度も聴いてみるしかない。とにかく、最初のフレーズを何度も聴いて唄ってみる。音源では三線の音と唄がズレている箇所がいっぱい。三線に限らず民謡の世界では音をズラすのが味のある歌い方の様だ。最初は音をズラしながら唄うのが大変そうなので、ズラしは無しで唄ってみる。

 でも元々声を出して唄うのは不得手なので、音源を聴いて自分で唄ってもしっくりこない。音が取れているのかよく分からない。ここで、三線を伴奏として弾くと世界が変わった。
楽器経験が活きてきたのは、弦楽器の音感だった。音階だったら調弦がきっちりできていれば、あまり音は外さずに音をとる事ができる。(勘所が分かっている)となると、唄の出だしの音は楽器の音を頼って唄う事ができる。三線の工工四を全部弾こうとせず、唄の出だしに必要な音をとにかく三線で音を出してその音を頼りに唄ってみると、何となく唄える様になる。
 私の場合は、「弦楽器の経験有り+唄が苦手」という性質だったので、楽器の音を頼りに唄う感じになりました。人によって、歌うのが好きな人は音源から耳コピで音を取るのが良いと思います。楽器の勘所はまず左手、左指の型を決めて、地道に音を合わせていきます。自分の得意分野を活かせる方は存分に得意分野を活かした方が上達が早いです。
 唄も楽器も苦手な人は、いきなり同時にやろうとすることはせずに唄なら唄だけ、楽器なら楽器だけを練習する時間を設けるのが良いと思います。二つの事を同時にやる、ということは思った以上に難しいです。
 左指の勘所を覚えるために最初は竿の部分にシールを貼るのも良いと思います。シールについて、弦楽器経験から思う事は、そーだなぁ、シールを貼ってから半年以内には剥がした方が良いと思います。最初からシールは貼らなくても大丈夫そうなら、貼らない方が良いです。いつまでも視覚に頼って勘所を探っても左手、左指の型は覚えません。弦楽器の音を安定させるには、型を作ってしまうのが手っ取り早いです。三線は西洋楽器と違ってポジション移動があまりない様なので、型は決めやすいと思います。
 左手の型の作り方は教本でも載っていましたが、基本的には教室で習った方が良さそうでした。先生の教えてくれる型をあまり自己流に解釈し過ぎないで習得するのが良い。目標は左手も、右手も両方見ずに演奏することです。(まだできないけど、、)

 さて、ちょっと話がそれてしまったが、次のお稽古までの3週間、安里屋ユンタを一通り弾ける様になるまでにやったことは以下のとおり。

1週目

 最初は工工四に書かれている1番を工工四を見ながら唄って弾ける様にする。あくまで唄メインで工工四を読む。楽器メインで工工四を読むと途中で挫折する。音源では三線の音と唄の音がズレている箇所が一杯あるので、最初はズレ無しでも良いので三線の音に唄の音を合わせる。唄の音を最初に三線で弾いてみるのも良い。これは自分が唄が苦手だから効果的なのかもしれない。とにかく慣れるまで何度も繰り返し練習する。
 とは言うものの、唄付ではなく、三線だけを弾く時間も設ける。楽器側のフレーズ感も楽しめる。ただ、唄メインにシフトチェンジすると、三線が間違ってもそんなに気にならなくなる。
この状態で音源と一緒に弾ける様にならなくても大丈夫。日本人的感覚で何となく唄って弾けるを目指す。

2週目

 曲の1番に慣れてきたら、1番を歌詞だけ見て唄って弾ける様なるまで練習。また、音源と一緒に歌える様になるまで何度も繰り返す。
 本調子はよくミージル(女絃)をC(ド)で合わせているけど、音源はH(シ)だったり、b(シー♭)になっているので、音源の音の工の音を聴いてミージルを音源に合わせる。音源聴いていも工が合わない時は、チューナでbやHに合わせて大体合えば良いかと思う。なんせ、自宅内では消音ウマで弾いているので音源に音を合わせにくい。
 音源と一緒に弾いて唄っても曲に付いていけなかったり、曲から落ちてしまう。でも気にしない。三線は落ちてもOK。なるべく唄からは落ちない様に頑張る。そうすると、三線の復帰ポイントが何となく分かってくる

3週目

 歌詞だけ見て唄って弾ける様になったら、2番以降も唄ってみる。1番を歌詞だけ見て弾ける様になったらここからはそんなに難しくない。1番が音源と一緒に歌って弾ける様になれば、2番以降の歌詞は工工四を見ながら弾ける様になる。2番以降も独特の方言や言葉遣いがあるけど、とりあえず歌詞の日本語を読めれば唄える。

音源と一緒に弾ける様になると結構メリットがある。

  • 本場の唄い方のクセみたいなものが何となくわかる。唄の音が三線の音とズレる箇所が分かってくる。
  • 工工四と音源との違いが分かる。たぶん、同じ流派でも微妙に工工四が違ったりするみたい。
  • 音源をループ再生させると、永遠に練習できる。(疲れるけど、、)

 最終的には工工四の歌詞とかも見ないで弾ける様になれれば曲を自分の物にしたことになるのでしょう。自分も40歳過ぎて、ある程度歳なので、記憶力に自信がない。すぐに歌詞は忘れちゃう。ただ、安里屋ユンタはお稽古の最初に必ず弾く曲みたいなので、暗譜した方が良いんだろな。

 とりあえず、これで何とか曲を弾きながら唄える様になったっぽい。この状態で稽古に臨む。結果と得た事はまた次回以降で書いていこうと思う。

ちんだみのやり方

 ちなみに、本調子のちんだみについては、弦楽器の経験から合わせ方が何となく分かる。例えば、ミージル(女絃)をCに合わせる場合。

  • 自分は絶対音感が無いので、最初にミージル(女絃)を音叉やチューナ等で音を合わせる。
  • 次にウージル(男絃)をCに合わせる。ウージル(男絃)は、ミージル(女絃)とオクターブの関係になっているので、ウージル(男絃)とミージル(女絃)を同時に鳴らし、オクターブの和音が綺麗に響くまでウージル(男絃)のカクライ(ペグ)を調整する。
  • 最後にナカジル(中絃)をFに合わせる。ナカジル(中絃)は、ミージル(女絃)と5度の関係になっているので、ナカジル(中絃)とミージル(女絃)を同時に鳴らし、5度の和音が綺麗に響くまでナカジル(中絃)のカクライ(ペグ)を調整する。

 最初は全ての絃をチューナで合わせても良いかと思う。その方が正しい音が分かるし、オクターブや5度の響きも正解が分かるので。

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